カジノは、世界各国で合法な娯楽として楽しまれています。実際に、2020年におけるギャンブル市場は2,268億1,000万米ドルを記録。新型コロナウイルスによる世界パンデミックの影響で前年比-13%ではあるものの、非常に大きな市場規模であることが分かります。
一方、日本では2018年にカジノ合法化法案(IR法案)が可決。まだ施行には至っていないものの、日本でのカジノ合法化は確実なものとなっています。実際に、大阪のIR(Integrated Resort:複合観光施設)は2029年の開業を目指し進んでいます。
世界のカジノ業界と税金について
上記のインフォグラフィックは、ギャンブル課税率が高い国トップ5と、低い国トップ5を並べたものです。ギャンブル課税率が最も多い国はフランス(=83%)、最も低い国はロシア(=0%)となっており、その差は歴然です。
なお、ここで言う「ギャンブル課税率」とは、カジノがGGS(Gross Gaming Revenue:総粗収益)に対して支払う税金の率のことです。GGS(総粗収益)は、カジノの運営事業者が、顧客から集めた掛け金から支払った賞金を引いた金額を指しています。
ギャンブル課税率が高い国トップ10
以下は、ギャンブルの課税率が最も高い国トップ10です。ただし、ギャンブルの種類や地域ごとに異なる課税率が儲けられていることも。以下の課税率は、カジノの運営事業者が最大で支払わなければならない税率を表しています。
順位 | 国 | ギャンブル課税率 |
---|---|---|
1 | フランス | 83.5% |
2 | ドイツ | 80% |
3 | ルクセンブルク | 80% |
4 | デンマーク | 75% |
5 | オーストラリア | 65% |
6 | アメリカ | 51% |
7 | イギリス | 50% |
8 | オーストリア | 40% |
9 | マカオ | 39% |
10 | ギリシャ?チェコ | 35% |
ギャンブル課税率が最も高い国は、フランスです。現地カジノは総粗収益の85%を、競馬は37.7%、オンラインのスポーツギャンブルは52.2%を税金として支払います。
2位はドイツ、3位はルクセンブルクと続き、4位のデンマークもギャンブル課税率が高くなっています。ただし、デンマークでは75%と高い課税率が適用されるのは、総粗収益が612,000米ドルを越えた場合のみ。基準を下回っている場合は、45%とイギリス以下の課税率になる仕組みです。
また、5位のオーストラリアは州によって課税率が異なります。宝くじの課税率が65%と高い州もあれば、スロットマシンで25%、レースやテーブルゲームで20%と課税率が低い州までさまざまです。
このように、ギャンブルでお金を稼いで税金を支払わなければならないのはプレイヤーだけではありません。カジノの運営事業者は、国によっては最大83%と高い税金を支払っているのです。
ギャンブル課税率が低い国トップ10
ここまで、ギャンブルの課税率の高さに驚いた方は多いでしょう。しかし、中にはギャンブルの課税率が信じがたいほど低い国も存在します。
順位 | 国 | ギャンブル課税率 |
---|---|---|
1 | ロシア | 0% |
2 | シンガポール | 5% |
3 | フィンランド | 10% |
4 | ベルギー | 11% |
5 | アルゼンチン | 15% |
5 | ポルトガル | 15% |
5 | ケニア | 15% |
8 | スウェーデン | 18% |
9 | スペイン | 20% |
10 | イタリア | 25% |
ロシアでは、驚くことにギャンブルの課税率は0%です。カジノの所有者は税金を払う必要がありません。
シンガポールも、5%と世界的にギャンブルの課税率が低くなっています。現地カジノでは最大15%まで上がることがあるようですが、それでも世界的に見れば低いギャンブル課税率です。また、スウェーデンでは、オンラインカジノをよりプレイヤーフレンドリーにすべく、オンラインカジノ運営者に総粗収益に対して18%の課税率を導入しています。
このように、カジノの運営事業者が支払う税金は国によって大きく異なります。
日本のカジノ合法化と税制について
では、日本でも実際にカジノが合法化された場合、ギャンブルの課税率はどうなるのでしょうか?
現在、カジノの運営事業者が収益に対して支払う税率は「30%ほど」で調整が進められています。ここまで紹介した諸外国と同様、「利益」に対してではなく「総粗収益」にかける形でカジノ税が徴収される予定です。
もし30%で決定した場合、世界的に見て高すぎず低すぎず、平均的なギャンブル課税率だと言えます。
カジノを利用する一般客にも税金がかかる?
ちなみに、日本人が日本のカジノでプレイする場合、パチンコや競馬などの他のギャンブルと同様に課税対象となります。なお、訪日外国人については、出身国との二重課税を避けるため、非課税の方向性が固まっています。また、これは国際競争力を確保し、海外から顧客を集めるためでもあります。
日本人が海外のカジノで儲けた場合、現地では非課税となり、日本に帰国してから「全世界課税方式」という課税制度に則って申告するという仕組みなので、公平だと言えます。
しかし、カジノには「不正なマネーの温床になりやすい」という課題も残されています。というのも、カジノでは現金を一度チップに換えるという仕組みゆえ、「大きな儲けがあったとしても仲間同士で分け合って利益がないように見せかける」ことができてしまうからです。
このような不正を防止するため、政府はマイナンバーカードの利用を検討していると言われています。カードに全プレイ履歴を記録すれば、儲けの不正はできなくなるという仕組みです。
また、税金の他に、2,000円ほどの入場料を徴収することもうたわれています。
オンラインカジノの課税はどうなっているの?
日本でオンラインカジノをして所得を得た場合も、確定申告をして税金を支払う必要があります。
たとえば、オンラインカジノを利用して200万円勝って、100万円負けたとします。この場合、勝った100万円に対して税金が発生します。トータルで見れば100万円の利益ですが、損失を引いた利益ではなく、単純に勝った金額に対して税金がかかることを理解しておかなければなりません。
ただし、オンラインカジノの所得は一時的なものであるため、年間利益が70万円(特別控除の上限50万円+給与以外の所得が20万円以下)未満である場合は、課税の対象にはなりません。
ちなみに、オンラインカジノの儲けはすべて銀行口座に入金され、税務署は簡単にお金の出入りを調べられるので脱税はバレます。脱税がバレれば罰則を受けることになりかねませんので、オンラインカジノであっても税金はしっかり納めましょう。
日本のカジノに対する未来への変化
日本でカジノ合法化案(IR法案)が可決されたのは、さかのぼること2018年。では、日本で実際にカジノが合法化され、カジノがオープンするのはいつなのでしょうか?
現在、政府は大阪のIR整備計画を認める方向で最終調整に入っており、2029年の開業を目指して進んでいます。大阪湾の人口島「夢洲」にカジノを含む複合型リゾートが作られる予定です。
ちなみに、同時に誘致計画が進んでいた長崎県のIRについては、2027年の開業が目指されていましたが認定は先送りになる見通しです。
2029年の日本初となるカジノ施設オープンに向けて、どのように準備が本格化していくか楽しみですね。
世界と日本のギャンブル課税率まとめ
今回は、世界と日本のギャンブル業界の実情と課税率について紹介しました。
カジノが合法化される国では、国や地域、ギャンブルの種類ごとに異なるギャンブル課税率が儲けられており、最も低い国で0%?、最も高い国で83.5%と大きな差があります。
なお、日本でカジノが合法化された際には、カジノの運営事業者は収益に対して30%程度の税金が課せられる方向で調整が進んでいます。
日本で実際にカジノを楽しめるようになるのは、早くて2029年です。「大阪IRのオープンまで待てない」という方には、オンラインカジノもおすすめです。オンラインカジノについて詳しくは、BonusFinderおすすめのオンラインカジノをご覧ください。